社長のつぶやき
Vol.9 外断熱ってどんな家? 2004年4月27日
※本文は2004年4月27日に書かれた文章です。現在の住宅業界の様子、当社の家づくり等について、下記に書かれている内容に対して当時と今では意に反し意図していない部分もございますので予めご了承下さい。 2007年10月18日追記
■普通の家とどこが違う?

 最近お客様よりご質問を受けることが特に多いのが「外断熱って普通の家とどう違うの?」という質問です。数年ほど前は今のように「外断熱」という言葉も出てこなかった時代ですから、ここ最近の事であることは間違いないのですが、当社では外断熱住宅に取り組み始めて今年で約4年目になります。

 先日、当社で外断熱・二重通気工法のソーラーサーキットの家を施工中のあるお客様からこんなことを言われました。「約2年程前、家を建てようといろいろな情報を集めて住宅展示場や近くのモデルハウス、工務店に相談にいって外断熱の家をどう思うか?と質問したところ、外断熱という住宅を知っている人が半分、知らない人が半分、知っていてもそんなものこの辺では必要ないです、普通の内断熱の家で十分ですよ、うちはやっていません。」というビルダーばかりだったそうです。

 ところが、それから2年が過ぎ、当時そのようなことを言っていたビルダーのほとんど全てが現在外断熱住宅を施工しているのだという。どう思いますか?と聞かれました。

■内断熱と外断熱の違い

 まず、内断熱工法と外断熱工法の違いですが、まず第一に断熱材の入る場所が違います。  内断熱は構造材となる壁の中に断熱材を入れますが、外断熱は構造材の外側、つまり柱・壁の外側に断熱材を張ります。これによって何が違うかというと、結露の発生する場所が異なります。断熱材を入れる以上、どんな断熱材でも結露がどこかに生じます。

 家の中と外に温度差ができるので、その温度差ができるところに結露が生じるのです。内断熱の場合その結露が断熱材のある壁の中に生じるので、所謂壁内結露という目に見えない結露が壁の中で発生していて、それがカビや腐朽の原因となるというのです。

■外断熱でも結露する

 外断熱の場合は、これも断熱材ですから結露はするのですが、発生する場所が構造体である壁の外側にするので、家の主要構造部である柱・壁・土台とは全く接しない場所での結露発生となります。これはつまり外壁材のすぐ裏側であり、外壁通気構造により常に風が通っているところでの結露ですから簡単に乾いてしまうことは言うまでもありません。また、板状の外断熱材は吸水性がゼロですから断熱材そのものが水分を持つこともありません。したがって、内断熱と外断熱の違いは、壁の中の結露が家の耐久性やカビなどが原因のアトピーやアレルギーに悩まされるリスクが低いという点で違いがあります。

■気密の安全性

 第二に、気密をとる上での安全性が違います。冬暖かくするために高断熱という言葉が言われますが、気密と断熱は異なるもので、どちらを優先すればより暖かく快適に過ごすことができると思いますか?実は優先すべきは断熱ではなく気密のほうを優先したほうが熱のロスが少なく暖かく過ごすことができます。

  どんなに高性能な断熱材を使用しても隙間から逃げてしまうロスがあれば、その断熱材は意味がありません。高性能な断熱材と気密が二つ合わさって初めて快適な暖かい家が出来上がります。
 高性能な断熱材はお金を払えば誰でも購入できますが、気密をとるにはそれなりの技術が必要です。

  外断熱工法は気密をとるという上で、建物の外側からスッポリくるむように断熱材を張ってゆきますので比較的簡単に気密をとることができます。内断熱になると内壁の中でビニールのような気密シートを張って気密をとるのですが、水道工事や電気工事などで穴をあけられて、それをまた塞いでというような作業を何十回となく繰り返します。

 まるでビニールハウスの中にいるような光景が目に浮かぶでしょうか?外張りの板状断熱材はその形状ゆえに目で見てはっきりと隙間が出来ているところが見えるので、補修も簡単でより安全に確実に気密工事をすることができます。これが気密をとる上での外断熱工法の優位性です。

■熱のロスが少ない

 第三に、外断熱は内断熱に比べ断熱の欠損がありません。

 どういうことかというと、外断熱は建物の外側からスッポリとくるむように断熱材を張りますが、内断熱では壁の中に断熱材をいれますので、その入れ方が柱や間柱の間に挟むように入れる形となるのです。

 これはつまり、柱や間柱の部分は断熱材に保護されていないのでその部分は断熱が効いていないということになります。木材そのものもある程度の断熱性を持っているとは認められていますが、断熱材ほどではありません。これが断熱欠損といいます。

 建物の外側から断熱材を張られた外断熱工法では、内断熱では断熱不可能な柱や間柱といった部分も合わせて断熱空間に取り入れることが可能なのです。よって熱のロスが少ないということになります。以上が内断熱と外断熱工法の構造上の違いです。

 さらに、「ただ単に外側に張っただけ」の単純外断熱工法と、ソーラーサーキット工法でいう二重通気構造を持った外断熱工法との違いですが、これは内壁の中の通気があるかないかの差になります。

■外断熱・二重通気工法のソーラーサーキットの家の生まれた経緯

 外断熱・二重通気工法のソーラーサーキットの家、実はソーラーサーキットの家も今の構造を確立する前、前進は構造躯体内に二重の通気層のない単純外断熱の家から始まりました。現在多くの他社が手がける一般の外張り断熱というものです。

 実はSCの家の開発メーカーであるカネカでは外断熱ブーム全盛の今から約二十年前、昭和五十八年に既に外断熱工法を開発、実際の住み心地に関する数年の実験成果を経て、四季のある日本では北海道より南では、つまり日本の温暖とも言える殆どの地方においては普通一般の単純外断熱工法はダメだったという結論を得ます。

 ダメだったという理由は主に夏の住み心地において、自然にあまりに逆らった住み心地であるという結果がわかってしまったのです。つまり、冬に重きをおきすぎた家作りは、夏の暑さを乗り切るためにエアコン無しでは生活できない家というものをつくってしまうことになったのです。

 そこで、新たにカネカが開発したのが、冬は外断熱で高気密高断熱の暖かい家、夏は暑くてエアコンなしではいられないような高気密住宅ではなく、家の中のこもってしまう熱を排出するために昔の民家のように建物の構造体の中にまでも風を通し、高気密ではない昔の夏涼しいことに重きをおいた二重通気という構造をつくりました。今から約十六年前、昭和六十四年のことです。

■外断熱だから良いのか!?ソーラーサーキットの類似品にご注意下さい!

 現在外断熱ブームともいえる中、外断熱であれば何でも良いと思ってしまうようなお客様が多いです。また外断熱であれば何でもかんでもいいというような営業をしている会社も多くあります。

 でも実際に外断熱の家に住んだことのある人が家を売っているのでしょうか?否、殆ど会社から渡された、教えられたマニュアルどおりの受け売りの言葉に過ぎないと思います。

 基礎から屋根までスッポリと包むから外断熱特有のじんわりとした熱量豊かな空間が出来るのです。構造躯体を貫通することなく断熱空間として捉えられるから家中の温度差を少なくし、結露をなくし快適な耐久性の高い家作りが出来るのです。当社に紆余曲折して結局最後にたどり着くお客様は既に知っています。何を持って「完全な」外断熱の家なのかを。

 建てる前に住んで確かめて、見て確かめて、もっと賢くなってください。そのための「家」と「本」をご用意しています。

■外断熱・二重通気工法のソーラーサーキットの家の住み心地 OBお施主様の証言

1.以前の家は冬はとにかく寒かった。真冬は室温2度・3度はあたり前。家の中で吐く息が白く、ファンヒーターなど暖房を入れてもなかなか暖まらなかったが、寒いかな?と室温計を見ても20度はキープ。余裕で空気の入れ替えで窓が開けられる。

2.前の家は10月のお祭りが終わる頃には寒くて布団は3枚、さらに子供はパジャマの上に防寒着。もうファンヒーターを始めていましたが、11月に入っても家の中は日中天気なら暑くさえ感じ、靴下をはかずに過ごせる。日中は半袖でもいられます。まだ一度も暖房をやっていない。

3.以前は家の中でも長袖下着・Tシャツ・トレーナー、寒いときはベストも着るなど厚着だった。コタツからなかなか出られない。また、寝相が良くなるほど寒く、子供なのに布団にくるまって寝ていた。結露がひどく窓はビショ濡れでカーテンはカビだらけ。真冬は狭い空間でファンヒーターをがんがん炊く。空気が悪くて換気したくても寒くて窓が開けられなかったが、ソーラーサーキットの家に住むようになり、子供が薄着になった。ちょっと動くと汗をかくほど暖かい。窓を開けても平気。心地よい。子供が布団を蹴るようになり、寝相が悪くなったが、布団なんてかけなくてもきちんと着ていれば体は冷たくなりません。本来の子供の姿です。11月下旬の現在、薄い綿毛布一枚で過ごせます。寒くないので窓を開けて換気が出来る。空気がいい。家の中と外の温度差が分かります。

4.子供たちの健康状態を見ていて体力がついてきたこともあるのだろうが、でも以前の家と比べて空気が良くなったことは間違いない。下の子は昔の家に住んでいたのは11ヶ月から1歳4ヶ月の約半年。この間何回医者へ行っただろうか。風邪は寒いからひくとは限らず、原因を考えてみたが、やはり厚着をさせて体温調整が出来なかったこと、空気の汚れが大きいと思う。挙句の果ては喘息の疑い・・。すごく心配だったがソーラーサーキットの家に引っ越してからは風邪をひくことはほとんどなくなった。新しい家で迎えた10月〜3月の間はほとんど医者に行っていない。3回目の冬を向かえ、最初かなりコストの高い家だったので躊躇していましたが、一生に一度の家なので建ててよかったと思います。体が楽です。この家で建てなかったら後悔していたかも・・。

5.食事をするのにも他の場所でするよりもSCの家で食事したほうがおいしい。空気がきれいなのがわかります。都会の雑踏の中の空気と、森林の中の空気、そういった感じがわかります。

6.換気は人のために、通気は家のためにというのがSCの本当の良さではないでしょうか?やはり建物に通気性を持たせるということで、より耐久性の良い構造がつくれると思うのです。

7.違いは夏。想像してください。夏場の暑い日中に炎天下の駐車場に半日くらい窓を閉め切ってとめた車に入るときの暑さを。これが単純外断熱の家です。それに対し、SCの家は炎天下の駐車場に同じように車を止めていても、窓を開けて止めている状態。つまり通気をしている状態です。決して涼しいとは言えないと思いますが、窓を閉め切った状態の車と、窓を開け放していた車と、どちらが良いですか?窓を開けた車がSCの外断熱構造です。

8.現在の住み心地は快適です。最近、オイルヒーターを購入しました。デロンギ 071221TEC(3〜8畳用)500/700/1200w切替ですが、全館暖かくなります。欧米では、外断熱に小さな火を24時間点灯して暖房を取っているとの情報から試してみましたが、効果は予想以上でした。500wか700Wで継続的に使用(深夜3時間は消灯)し、補助としてエアコン、コタツ、等を使用することがありますが、オイルヒーターのみでも健康な人であれば冬を感じないような全館暖房と同じ効果を得ることができます。でも一旦、外に出ると車はガリガリ凍っております。また、結露はしません。これは健康的に暮らすことが出来る証です。細菌繁殖しないからです。外断熱材の効果を感じます。今まで感じていた冬と違う冬を全身で体験しています。これは不思議な感覚です。

9.現在2月9日、PM8:00 1F20℃ 湿度46% 2F21℃です。一日を通して3から4℃の温度変化しかありません。驚きです。この性能だと、オイルヒーター一台で冬を越せることが可能と思いますが、日常の習慣となっているコタツ、エアコンをどうしても使用したくなるのが人情です。そのため、結果として電気代はかさんでしまうのが現状と思います。現在の感想からは、オイルヒーターは一番のお勧めです。自然な温かさがあります。昔住んでいた旧家は、温度が2度まで下がったのを考えるとやはり温熱の保温効果は大きいと思います。

10.そろそろ春の気配がしておりますので、SC住宅の一回目の冬が過ぎ去ろうとしております。長男の高校生がふと漏らした、「今年の冬は暖かい冬だったね」という言葉に表れていると思います。正確には暖冬ではなく家が暖かだったのですが。温度変化はとにかく少ないと思います。最低気温17〜18℃前後、日中は21℃程度でした。住みごこちは、強い印象があるのではなく、ふと暖かさを感じることがSCの特徴と思っています。

11.ちょっと不思議なことがありました。蚊が家にいないのです。旧家にいたころ、どこからともなく必ず家に入り電子蚊取機が各部屋の必需品だったのですが、、、、蚊が周りからいなくなったとは考えにくいので、やはり、ソーラーサーキットの高気密状態が功を奏しているのではと考えています。今夏は全く蚊取り用機器は使用しておりません。

12.冬の旧家はほっておくと室温1〜2度まで下がりましたが、SC住宅はほっておいても17度位で全部屋キープしております。その結果、気がついた事ですが、人の動きが家の中全体に広がり、活動しやすくなりました。旧家では一つの部屋を暖房するのが精いっぱいでしたので、SC住宅による居住性は上がったと思います。

13.人間の体は、不思議なもので、数値とは、別の感覚を持ってしまうことが多々あります。もっと暖かければいいのに、もっと涼しければいいのにと。欲望にはきりがありませんから。SC住宅に住むと、ふっと心地よさを感じます。これは持続的な感覚ではないのですが確かに感じることができます。その意味で、一生に一度の家を創るなら、SC住宅が現在では最適と思います。数百万円の余計に払う価値は十分にあると思います。ただし、適切な建て方のSC住宅であればの条件付きです。

14.以前の家は社宅なので住み心地は比べ物になりません。冬は壁にびっしり結露が発生する割りに乾燥で朝起きるとのどが痛かったです。結露のせいで洗面所の壁はいつもカビだらけで、北側の部屋もカビだらけ。桐のたんすの引き出しがゆがんで閉まらなくなるほどでした。現在は快適です。とこんなものですが、妻とも一致した意見です。

15.それにしてもこんなに暖かいとは正直期待していませんでした。朝はもう少し暖かければと思いますがエアコンを入れなければ動けないというほどでもないので、とりあえず及第点というところです。宣伝文句の「冬場でも17℃・・・」とはいきませんが、もともとが朝覚醒したら2℃という家だったので余計感じるのかもしれません。2月21、22日くらいの天気(風も強く窓が開けられなかった)だと日中20℃ですしね。12月19日〜1月21日までの電気料金が約25,000円、1月22日〜2月20日までの電気料金は約20,000円でした。金額だけ見れば高いようですが多分全体的な光熱費として考えれば安いはずです。さすがに最初は渋っていた父も「やっぱり生活してみると暖かいというか体が楽だ」と言ってます。彼は夜間全く暖房は使っていない模様です。現在のところ私はSC住宅の住み心地に満足しています。

16.ついでですので1件お聞きしたいことがあります。それは、家の光熱費なんです。現在、電気代が約8,000円 灯油が、月100L程度(風呂と、暖房用のファンヒーター2台)あわせると約12,000円程度です。夫婦2人で、昼間は全く無人の我が家ですが、上記の光熱費で特に不自由はありません。(照明はまめに消していますが)これってどんなものなんでしょう? えらい安いような気がしますが。

結論:

外断熱の家は、夏は遮熱効果が高く炎天下の日陰のような涼しさを感じることが出来るが、熱の蒸れを解消するための通気構造を伴わなければサンルームのような蒸れるような暑さを引き起こし、エアコン無しではいられない環境となる恐れあり。冬は断熱ロスが少なく、暖かい。また壁内結露の問題も解決されている。しかし、基礎から屋根まで断熱空間として捉える方法で断熱しないと、熱量豊かな空間の創造は難しく、家中を一定の温度に近づけることは難しい。中途半端な外断熱と高性能な内断熱の家は壁内結露の問題さえクリアできれば住み心地、耐久性共に大差はない。建物に通気構造を持って始めて快適な外断熱の家が実現する。また、夏は高気密住宅ではなく、昔の民家のような風通しの良い、なおかつ、遮熱効果の高い構造が望ましい。冬は高気密住宅で隙間をなくした家のほうが熱のロスが少なく暖かい家が実現できる。この相反する2つの利点を生かした家こそが外断熱・二重通気工法のソーラーサーキットの家の構造です。