社長のつぶやき
Vol6.私がつくりたい家
ここに木、鉄、コンクリートの三枚の板が敷いてあります。その上にしばらく寝て、寝心地を比較した後で、家をつくる材料に何がよいだろうか?と考えたなら、大概の人は木を選ぶと思うのです。あなたは自分と家族のためにどれを選びますか?私は迷わず「木」を選びます。その理由はたくさんありますが、1つだけと限定されたなら、「温もり」があるからと答えます。(「いい家が欲しい」三省堂書店 より抜粋)

一昔前の住宅というのは、我が国特有の高温多湿の夏の季節にあわせて、風通しを良く、夏涼しく過ごせるように造っていました。しかし、夏を旨として造っていたので、冬は寒い住宅だったというのが事実です。しかし、その当時の技術では、昔の人の大いなる知恵により、家を丈夫に長持ちするように造るには、風通しを良く、自然の気候を大切にすることが一番良いとされていたのです。それが結果的には冬の住み心地というものを犠牲にしてしまっていたのです。

やがて時代が変わり、技術が向上し、省エネルギー化が進み、今の住宅は冬を暖かく過ごせるように高断熱が主流になり、冬を旨にした家造りが好ましいという考え方に変わりました。

しかし、高断熱化が進むとともに、ただ厚い断熱材を入れれば良いというような造り手により、適切な防湿工事がされずに壁内結露の問題が発生し、省エネルギーどころか、結果的に住宅の寿命を縮めてしまうといった事件が多発したのです。断熱と結露の問題が浮き彫りにされ、適切な防湿工事、または、断熱と気密の関係、換気の大切さというものを思い知らされることとなったのです。苦々しく思うのは、現在でも断熱と結露の知識を良く知らず「まだ表沙汰にならないが」いわゆる欠陥住宅が造られているという事実です。

従来の冬暖かく夏涼しいという単なる高断熱・高気密住宅の実態は、冬は魔法瓶のように外気と閉ざされた気密性が功を奏し、確かに暖かいのですが、夏はクーラーの利きこそ良く、省エネに貢献しているといえますが、その反面、立地条件やプランによっては、クーラーなしでは暑くていられないという弊害が起こっているのも事実です。 つまり、住宅の性能の良し悪しを問う以前に、何の知識も持たず、その流行の工法に飛びつき、結果として一番大事な住み心地という部分を、実は犠牲にしてきてしまったという例も少なくないのです。

高断熱・高気密住宅の良し悪しは、私たち住宅の供給者側にとっても、常に激しい議論がなされています。かくいう私も、今までの単なる高気密住宅の否定者側であります。

それはなぜか?  

やはり、木造住宅というものを、丈夫で長持ちさせるためには、構造体を常に風に当ててやらねば、決して長持ちする家は造れないという恐れがあり、構造体を密閉してしまい、空気の流れを止めてしまうような従来の単なる高気密住宅は、結露による木材腐朽という面で耐久性に心配が残り、住み心地を求めるより先に、短命であってはならないとの思いからです。

私が造りたい家というのは、地震や火災など災害に負けない「強い家」、見せかけのデザインや豪華な設備にごまかされない、構造や材質、断熱・結露など表面的には見えないが、木造住宅にとって致命的な欠点に妥協しない「丈夫で長持ちする家」、そして、冬暖かく夏爽やかな、「住み心地の良い家」、自然の力を肌で、五感で感じるような「体温のような温もり感をもった家」なのです。

住宅の進化がさらなる省エネルギー化へ、高断熱・高気密化へと向かっている理由は、CO2削減による地球温暖化の防止という国際レベルの問題であり、それに伴って公的融資に国を挙げて優遇措置をはかるなど、無視することのできない問題となり、今年度の次世代省エネ基準にいたっては遂に気密化が必須となってしまいました。 この次世代省エネ基準とは、氷点下まで気温が下がることが珍しくない、去年まで寒冷地方で適用されていた基準が、今年からいきなり千葉に適用されるというようなものです。

このような背景を受け、様々な工夫、工法を求め全国を見聞し、数多くある手法を第三者の目で技術的に検討した結果、現時点で私が求めるこれからの家造りの性能にもっとも理にかなっていたのが、ソーラーサーキットであり、ダイライトでした。 国の求める次世代省エネ基準を最低の基準とし、より快適な住み心地を求めるが為の「ソーラーサーキット」、より快適な強い家を求めるが為の「ダイライト」なのです。

ソーラーサーキットのシステムは私の心配事を見事に吹き飛ばしてくれました。というのは、前述の理由から、私は単なる高気密住宅の否定者側であったのですが、このシステムは、私が高気密住宅を造らないという理由を見事にクリアして、住宅の高断熱化・高気密化を「外断熱・二重通気」により実現していたからです。

これはどういうことかというと、単なる従来の高気密・高断熱住宅がダメだといっていたのは、内断熱工法であったが故です。内断熱工法による高気密住宅はあまりに断熱欠損が生じやすく、精度の良い気密化を実現するには、ビニールハウス化としなければ無理なこと、これは諸刃の刃となり住宅の寿命に直接関わってきます。高気密住宅にするならば、内断熱ではなく外断熱の方がより安全で、長持ちする家であるということです。
また、高気密住宅にするもしないも、季節にあわせて自己選択ができるということもその利点です。冬の寒い日は、あたかも昔の民家が窓をピタッと閉め切り、部屋を暖めて過ごすように、高気密・高断熱の閉鎖型住宅にして暖かく過ごし、夏は上着を脱ぐように、自然に恵まれた昔の民家のような開放的な風通しの良い暮らしが実現でき、冬は暖かいが夏は暑くてしょうがないというような心配事が少ないのです。

それでいて、壁の内側と外側にそれぞれ独立した通気層があるので、家を支える柱や梁といった構造材は、絶えず自然の風にふれていることができるのです。つまり、家の中で「木」は、自然の風に当たったまま生きてゆくことができるので、家が長持ちするわけです。外断熱工法であるため、壁内結露の心配も不要です。

しかし、もちろん良いことばかりではありません。高気密・高断熱住宅という家は、今までにない快適な住み心地と引き換えに、その家を維持するための住まい方が違いますし、その快適性能を十分に引き出すためにはプラン上のある程度の制約もあります。

外断熱であるが為に、外壁材に重いタイルなどの仕上げ材は選択するのは無理があります。高気密であるが為に、一番身近な暖房器具であるストーブや石油ファンヒーターは使うことはできません。輻射熱暖房が最も相性が良いようです。もっとも、ソーラーサーキットの家は、家中が殆ど室温に差がなく、一台の暖房器具で十分暖まりますので心配は無用です。しかも、床・壁・天井・床下・小屋裏までもが殆ど温度差がありませんのでのぼせません。

些細なことですが、洗濯物を家の中に干すことは好ましくありません。24時間セントラル換気システムも付けなければいけません。もちろん運転停止は出来ません。その家に住み続ける限り、将来ずっと動き続けなければならないのです。気密と換気はワンセットです。これが分からない技術者は犯罪者になりかねません。また、家の寿命と換気システムの機械的寿命は一致しません。メンテナンスも必要です。室内外の防音性能はこの上なく優れています。が、建物内での防音性能はどうかというと、気密住宅でない従来の家よりも良く響きます。価格も割高です。家が長持ちすることを考えれば、長い目で見れば結局お得なのですが、初期投資が必要です。

しかし、このソーラーサーキットの家は、このようなことを差し引いても、手に入れるだけの価値ある快適な「住み心地」が確かにあります。

ダイライトは、木造軸組工法の枠の中でより強い家を求めた場合、筋違いや床組による強度アップはすでに出尽くし、耐力面材というものにたどり着きます。今までの耐力面材というものは、針葉樹系構造用合板が一般的ですが、これには大きな欠点があります。

それは透湿性がないということ。水分に、結露に弱いということなのです。湿気に弱く、数年すると無惨な姿になってしまうのです。この点、ダイライトは、透湿性に優れているため、断熱材の裏側に結露した水分を、外壁内の通気層を通じて外部へ排出することが可能なのです。また、無機質であるため、経年変化による劣化、腐朽にも強い材料です。

ここで、誤解が生じないように壁内結露についてもう一度ふれますが、室内側に適切な防湿工事を施した内断熱でも、壁の外側に断熱材を施工した外断熱も、室内の水分をシャットアウトして、その水分を壁内に入れないということはできても、室内外の温度差は確かに生じますので、どんな断熱材、断熱施工であっても、その断熱材の外気側に結露は生じてしまうのです。

その水分を外部へ排出するために外壁内通気工法という方法がとられているわけです。内断熱よりも外断熱の方が優れているというのは、この外気側に結露した水分が、外断熱の場合は構造材の外側になるので、その水分が構造材に悪さをしないということなのです。 ですから、やはり耐力面材を貼る場合でも、本当に重視しなくてはならないことは、その強さとともに、透湿性という水分を排出できる性能なのです。

ここ数年の住宅の進化は、すさまじいスピードで進んでいます。このように、良い家を欲しいと思ったら、数多くの選択肢があるわけですが、限りなく良いものを求めていったらきりがないというのも事実です。もちろん行き着くところはあるのですが、どこに行き着くかは個人の求めるものによって大きく異なってきます。

「良い家を求める人と、良い家を造りたい」というのが理想です。

しかし、高気密住宅が好きな人もいるし、嫌いな人もいる。痩せや狂いの心配がない接着剤で板を貼り合わせた集成材を良いと思う人もいれば、割れようが暴れようが一本物のムクの木が好きだという人がいる。また、初めて家を持つ小さなお子様のいらしゃる若いご夫婦や、老後を良い家に住んで暮らしたいと思う人まで様々な価値観、条件、趣向や予算や、その土地の立地条件、気候・風土などを無視できません。

ですから、いろいろなことを私とともに勉強していただき、良いことも悪いことも知っていただいた上で、お互いが納得のできる家造りができたらと思います。

これからの家造りを望む人は、イメージや先入観、オマケにつられるような愚かな間違いをしてはいけません。いわゆる営業マンは現場で起こっている事実を知らされていません。知ってしまったら売れなくなってしまいます。豪華なカタログには、売り手側の事情が隠されています。一見良く出来ているように見える展示場にあるのは、その家を良く見せようとする様々な仕掛けと、巧みな営業トークです。 このようなことが「いい家が欲しい」いう本に書かれていますが、大げさに書かれているものではありません。
かくいう私も住宅の営業マンをしていたことがあります。物の原価というものを知らされていません。会社から渡されるカタログ以外のものを見る機会はあまりありません。契約した後は工事部門に引継ぎ、お客様と顔を合わせることはパタッとなくなります。オマケに営業と工事が仲が良いとは限りません。同じ会社の中にありながら、営業はお客様の顔色を見て、工事は会社の顔色を見ます。こんな事が当たり前という雰囲気はあまりいいことではないように思えます。今は大分その仕組みが変わってきたと思いますが・・・。

あるお客様にこのような話をしたところ、ヤクザな世界ですね。と言われたことがあります。その通りかもしれません。無知なことを良いことに、良心的な顔をして、都合の良いことを並べ連ね、都合の悪いことに口を閉ざし、ごまかしの家づくりがされていることが少なくないのです。

本当にいい家が欲しいなら、しっかりとしたポリシーを持ち、それを仕事に反映させ、木造住宅の最大の欠点である断熱と結露、気密、換気の問題に適切な知識を持ち、答えられるビルダーを選択されることです。

しっかりと現実を見据え、科学し、クロス一辺倒でトータルコーディネートされた「つまらない家」でなく、地元の材をしっかり使い、自然の素材をしっかり使い、木っ端を接着剤で固めた、欠点の少ない、いわゆる面白くない優等生のような集成材でなく、やんちゃ坊主のような、元気で味のある、一本物の、一枚物の本物の「ムクの木」の持つ体温のような温もり感に、存在感に包まれるような家が欲しいと思いませんか?会社案内のコーナーのタイトル「木と共に生きる」とは、そういう感覚を私が持っているということです。

私は、家を「商品」とは思っていません。私は、家はそこに住む人の個性の表れであり、家を持つということは、その地に根をはるという、社会的に認められるということであり、家というのは、その地域性などを考慮しながら、住んでナンボのものと考えます。

家は幸せを育むものであり、家づくりは幸せな家族づくりでもあると思うのです。

当社はエリア拡大を求めません。数を求めません。求めるのは質の高さです。オンリーワンのこだわりです。「拝啓、社長様」の声が、朝でも夜でも直接届く安心感を求めます。自らの信用をかけて一生懸命勉強し、「幸せを育む家」を創っています。 是非ご検討下さいませ。 

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